今、K-POPはボーイズグループの勢いがすごい!題して「新ボーイズグループ時代」!

東方神起?BIGBANG?それとも少女時代?KARA?2NE1?T-ara?
もちろんK-POPという言葉は以前からありましたし、人気のグループもいたんですが、日本で爆発的に認知され始めたのは少女時代やKARA等といったガールズグループではないでしょうか。モデルのように完成されたスタイルとレベルの高いパフォーマンス、そして特徴のある振り付けで彼女達はたちまち日本中に知れ渡る存在となりましたよね。
ところが最近では本国韓国を中心にボーイズグループの勢いが増しています。
最近は供給過多とすら言われるK-POPアイドル。2012年も約50組の新人がデビューし、その中で人気を博しているのはこぞってボーイズグループたちです。また、2013年に入ってデビューしたグループの中でも話題になっているのはやはりボーイズグループです。
● 新しいボーイズグループ時代
ボーイズグループも、ガールズグループ同様、長い歴史があります。1998年にデビューした神話から、今年デビューした1997年生まれのメンバーなど、この長い期間本当にたくさんのアイドルグループが登場しました。
日本で少女時代やKARAの人気が出始めた頃、韓国でもガールズグループの勢いが強く、ガールズグループのデビューが相次ぎました。
ですが最近ボーイズグループの勢いが強くなっているのは何故でしょうか?
今年7月、イ・ヒョリやPSY等のベテラン歌手たちがまた注目を浴び始める中、2012年にデビューしたSMエンターテインメントのEXOは、新曲「Wolf」は公開と同時に各音楽配信チャートのリアルタイムランキングで10位圏内にランクイン。地上派の音楽番組でもカムバックから2週間で1位という最近の新人では異例の功績を残し、まだ広く知られているグループとは言えないものの、音楽番組に2000人以上のファンを集めることができるレベルになりました。
また、B.A.PやTEENTOPのような同じく新人ボーイズグループたちもヨーロッパなどの海外進出が可能になっています。
これは広い認知度がなくても、一定の”熱狂的な”ファンを囲うことが、成功への鍵となっているのだと言えます。
● 「熱狂的なファン層獲得>認知度」による成功事例が相次ぐ
熱狂的なファン層獲得の事例としてSMエンターテインメント所属ボーイズグループの独特な世界観を例にあげましょう。
「Why so serious?」の活動でSHINeeは人間の女性に恋に落ちたゾンビになりきりました。また、「WOLF」でカムバックしたEXOは人間の女性を好きになってしまったオオカミになりきりました。
歌詞も、ダンスも独特です。「おい、しっかりしろよ、どうして人間に心を奪われてしまったんだ。」等と歌いながら、遠吠えのような鳴き声と振り付け。

一見普通の人が見たらちょっと戸惑うくらいの世界観設定ですよね。
熱狂的なファンたちはこういった世界観を、もはや音楽としてではなく、一つの舞台や演劇にはまっているような感覚で楽しんでいるのです。
EXOは12人という人数ですし、他のグループも比較的大人数である場合が多いです。
大人数での活動となると、個々の歌のパートは減りますし一人一人にフォーカスがあたりにくくはなりますが、世界観を作り出すには大人数でのパフォーマンスの方が映えます。
同じくSMエンターテインメント所属で世界的にも人気グループとなったSUPER JUNIORも10人以上ですよね。
彼らはダンサーたちの力を借りずに、自分たちだけでその世界観の凝縮された一つの”舞台”を作り上げることが出来ます。それにより、ファンは一人のアイドルにはまるという感覚を通りこして、彼らの”パフォーマンス”に熱狂しているのです。
●熱狂的なファン獲得だけでもダメ?新ボーイズグループ時代、これからのミッションは!
このように熱狂的なファンを獲得する為に完成されたボーイズグループは、ほとんどがはっきりとした趣向を持つファン達の希望に沿いながら、その完成度を高めていきます。
そうすることでそのファンたちの熱狂度はあがりますが、いわゆる大衆受けは難しくなってしまいます。同時に、広く知られたアイドルになることも難しくなります。
例外的なケースで言うと、今や世界で人気のBIGBANGがあげられるでしょう。
彼らの所属するYGエンターテインメントにもやはり特有のカラーはあります。
先ほどのゾンビやオオカミのようなまるで演劇とも言える世界観設こそないですが、その特有のカラーがBIGBANGのメンバー5人それぞれの持つスター性と合わさり熱狂的なファンも囲いつつうまく大衆にも受け入れられた特殊な事例だと思います。
こういったケースをのぞき、他のボーイズグループたちは、①熱狂的なファンを囲いつつ②熱狂的なファン以外の人たち=世間一般の人たちに知られ、受け入れられるという2つのミッションをクリアしなくてはいけないのです。
BIGBANGはLIEの大ヒットで、世間一般で大人気となり、INFINITEは1980年代スタイルの音楽をアイドルのダンスで見せ、30代の女性ファンからも熱狂と音楽的な支持を同時に得ました。
SHINeeはWhy so serious?の前のDream Girlの活動ではSM エンターテインメントカラーが薄いとも言える、かなり大衆的でポップな曲を披露しました。
EXOは現在は熱狂的ファンを囲いつつも巨大事務所のバックアップにより大々的なプロモーションで認知度をあげており、B.A.Pはテーマの違う曲で何度も何度もカムバックをして地道に熱狂度と知名度をあげてきました。
ただいい曲を出せば良いわけではなく、ただすばらしいダンスを披露すれば良いわけでもない。かわいく振る舞えば良いわけでもなく、トークがよくても、見た目が良くても、それだけではダメ。”ファンを熱狂させる独特な世界観”と”大衆的なイメージ”の2つのミッションをクリアした新しいアイドル像が昨今のK-POPボーイズグループなのです。
2012年以前デビュー組もまだまだ両ミッションを着々とクリアさせて成長していくと思いますし、2013年デビュー組も面白い世界観を披露してくれることでしょう。これからもボーイズグループから目が離せません!
Kyuyon Kim
(動画:SMTOWN公式チャンネル)