新しい韓国文学「ラクダに乗って」刊行記念 シン・ギョンニム×谷川俊太郎 詩人対談を開催
すぐれた韓国文学を日本語に翻訳出版している株式会社CUONより、”新しい韓国文学”シリーズ第4弾「ラクダに乗って」(シン・ギョンニム)が刊行された。
「ラクダに乗って」は、韓国の国民的詩人と言われるシン・ギョンニムの全詩集から選び抜いた69篇の詩を収録した画期的な詩選集である。韓国民衆の暮らしを見つめ、それをすぐれた詩作品へと昇華させた出世作「農舞」をはじめとし、軍事政権下の時代に翻弄されながら、農村生活を通して創作した瑞々しく自由な生活を詩で表現した、韓国最高の詩人の軌跡を一望出来る内容になっている。
<書籍概要>
表現の自由が制限されていた軍事政権下、美しい世の中をつくるために詩を創作し続け、作者自身が歩んだ農村のスローライフや方言から生まれた、心の葛藤や苦痛を和らげたい現代人へささげるメッセージが満載。かつて韓国の「民衆詩人」ともいわれたシン・ギョンニムの作品より出世作『農舞』『角』など収録。
『ラクダに乗って』
シン・ギョンニム=著 吉川凪=訳
四六判 ソフトカバー 240ページ 2200円+税
出版社:株式会社クオン 発行:2012年5月
そして今回、この「ラクダに乗って」の刊行を記念した対談イベントの開催が決定した。
日本の国民的詩人・谷川俊太郎氏と「ラクダに乗って」著者・シン・ギョンニム氏という両国を代表する詩人が、「現代において詩には何が出来るのか、また東日本大震災を乗り越えた人々に伝えたいメッセージや同時代の悩みを共有する対談」となる。参加希望は下記CUONのホームページから申し込みが出来る。
『ラクダに乗って』刊行記念 詩人対談
シン・ギョンニム×谷川俊太郎
―記―
■期 日 2012年6月30日(土)午後3時から
■内 容 韓国を代表する詩人シン・ギョンニム氏と、日本を代表する詩人谷川俊太郎氏との対談。
■会 場 在日本韓国YMCA スペースYホール
〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-5-5 (JR水道橋駅徒歩六分)
■料 金 1,000円

<シン・ギョンニム(申庚林)プロフィール>
1935 年忠清北道中原郡(現、忠州市)に生まれる。東国大学英文科卒。1956 年『文学芸術』に「葦」などの詩を発表して創作活動を開始。処女詩集『農舞』以来、民衆の暮らしに密着したリアリズムと優れた抒情性、伝統的なリズムを採りいれた詩によって韓国現代詩の流れを一挙に変え、「民衆詩」の時代を開いた。
詩集に『農舞』『鳥嶺』『月を越えよう』『貧しい愛の歌』『道』『倒れた者の夢』『母と祖母のシルエット』『角』、長篇詩集『南漢江』があり、散文の著作として『民謡紀行』一・二、『詩人を求めて』一・二、『風の風景』などがある。万海文学賞、韓国文学作家賞、大山文学賞などを受賞。現在、東国大学碩座教授。趣味は囲碁。
<谷川俊太郎 プロフィール>
1931年、東京生まれ。都立豊多摩高校卒。1952年、第一詩集『二十億光年の孤独』出版。以後詩、エッセー、脚本、翻訳などの分野で文筆を業として今日にいたる。詩集に『21』、『落首九十九』、『ことばあそびうた』、『定義』、『みみをすます』、『日々の地図』、『はだか』、『世間知ラズ』、『minimal』など、エッセー集に『散文』、『ひとり暮らし』、絵本に『わたし』、『ともだち』、『もこ もこもこ』などがある。谷川賢作との共演も多く、CD『クレーの天使』、『家族の肖像』などが出ている。最新刊は詩集『すき』、『私』、『詩の本』、『トロムソコラージュ』など。