713日より公開されたKARASIA 2012 The 1st Concert IN SEOUL 3D‐ を、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13にて鑑賞した。

 

2012218日韓国 ソウルオリンピック競技場で行われたKARAの初めてのアジアツアーKARASIA 2012 The 1st Concert IN SEOULの初日公演における模様を、3D処理を施し、映画館の大スクリーンで視聴できるというもの。

 

結論から言うと、誰にでも勧めたい素晴らしい内容だった。

なぜなら、3D+映画館+LIVEというメディア的特性が、コンテンツとしての「立体的な理想郷」を作り出しているからだ。

 

3D映像と聞いて「何がどう3Dなの?」と思う人もいるかもしれないが、一番大きな違いは、従来の映像を見たときには感じられなかった「リアルさを知覚できる」ことにあるだろう。

 

 

3D+映画館+LIVEという体験は、自らが会場に足を運ぶことによって体験するLIVEとはまったく意味が異なるのだ。

では、一体何が違うのか?説明なので、笑いはないが『爆笑ピクト』的図式で解説すると…

 

まず、従来の映画、2Dは…


 

・平面なスクリーンの中が3Dの世界

・自分が見ている場所と分断されているため、LIVE映像が俯瞰的な鑑賞

・よって知覚は2Dのように感じられる

 

といった具合である。

 

一方、『KARASIA 2012~』の3D映像は… 


 

 

・平面な画面を飛び出してKARAや景色に距離感が生まれる

・自分が観ている場所とスクリーンが分断されずに繋がり持つ主観的な鑑賞

・よって、知覚は3D、実体験のように感じられる

 

といった具合に、現実として、まさらにLIVEに行ったと思ってしまう感覚が味わえるのだ。

 

しかし、驚くべき点はそれだけではない。

 

それはLIVEの映像が「定点」ではないということだ。

 

言っていることはまったく当たり前なことで、スクリーンで流れるLIVEは、様々なカメラアングルで、広角に映像を入れ込んだり、KARA自身のアップだったり、多種多様な立場から観た映像で構成されている。

 

もし、あなたがLIVEに足を運んだとしたら、LIVEの見え方は、あなたが立っている場所からの1通りしかない。

しかし、LIVE映像なら「多種多様な立場から観た映像」が入ってくる。

そして、その映像たちに3Dという技術が足されることによって、あなたの映像受容は、もはや現実そのものに感じられるようになるのだ。

 

もうお分かりだろうか?

 

LIVEの中でのアングルがkARAの正面アップだったとしよう。すると。あなたはプロデュサーしか立てないような目線から、KARAと真正面から向き合っているような感覚でいられる。

 

その他にも、上部から空撮したようなアングルでは、あなたはいかにもカメラマンになったような気分で、KARAを観ることができるし、

背後からKARAを捉えた映像のアングルは、あなたをバックダンサーの視点として、リアルに近い体験を提供してくれる。

 

客席からのアングルも、最前列、中段、最後尾と、様々な席からのリアルを知覚できる。

 

それはまさに、足を運ぶLIVEでは体験できない、3D+映画館+LIVEというメディア的特性が与えてくれる、コンテンツとしての「立体的な理想郷」と言えるだろう。

 

 

さらに映像のコンテンツはKARASIA 2012 The 1st Concert IN SEOUL

このコンサートはKARAの単独では初となる記念すべきアジアツアーであり、所属事務所契約解除騒動などを乗り越え、精力的に活動した時期でもあった。

 

20122月に行われたといっても、K-style等でMV動画を追っているK-POP好きには、新鮮さを持って鑑賞することができるだろう。

 

初の単独ということで、「気合い」と「気負い」が節々に見られ、本人たちのMCトークから垣間見える人間味も必見。

 

韓国仕様の貫禄さ溢れる『STEP』『Jumping』から、日本のアイドル市場に合わせたキュート感満載の『ウィンターマジック』『ジェットコースターラブ』という楽曲を同じタイムラインで観ることができる。

 

個人的なオススメは、ソロ楽曲のパフォーマンスで、その理由は、明らかにMV(PV)よりも良い印象も持つことができたからだ。

ギュリの『Tango+Day Dream』は、メンバーを引っ張っていこうとする気合いと、別の音楽的テイストから会場を惹きつけていこうとする強い意志が、観ているファンにも伝わったのか、曲が終わった後にすごく湧いていたように思える。

 

ハラの『Secret Love』による「ザ・カワイイ・アイドル」な振り幅も、ジヨンの『Wanna Do』におけるギター演奏に挑戦するドキュメンタリーさも、スンヨンの『Guilty』による歌唱力を生かした爆発演出も、ニコルの『LOST』によるミディアムで切ない感じも、今回の初の単独ライブによって加味された見えない力によって、楽曲的な潜在性を高く表現していたような気さえした。

 

そして、私自身はKARAのファンではないのだが、彼女たちのキュートで活発的な『Rock U』を聴く度に、彼女たちはやっぱりアイドルなのだなと思わされるし、ここから再スタートして、いろんな姿を我々に届けてくれているのだと改めて感じた。

 

加えて、まったく関係ないのだが、『Mr.』は、ニコルのヒップダンスが好きだ。

個人的な意見かもしれないが、彼女の腰のうねりはハンパないと思う。


 

 

K-POPのアイドルは、ブランドチェンジを施すことが多いし、歌とダンスで「魅せる」ということに重きを置いているので、「3D+映画館+LIVE」にはすごく親和性が高いだろう。

 

 

ぜひ、KARASIA 2012 The 1st Concert IN SEOUL 3D‐ に足を運んで、コンテンツとしての「立体的な理想郷」を味わって、をご覧になってはいかがだろうか?

 

コツとしてはスクリーンの目線が、前列で見ているような目線の席に座ると、前列からのアングルの映像のときには、より深くにその会場にいるような気分に麻痺させてくれるだろう。

韓流ピクト