IUは、セクシーな衣装とダンスパフォーマンスを引っさげ複数人で構成されるガールズグループが溢れる中、ナチュラルかつ清楚なスタイルでソロ活動し、大成功を収めた、韓国では稀有な清純派アイドルだ。

 

Good Day』のクライマックスにおいて、高音パートから徐々にキーを上げ、10秒以上も声を張り続ける「3段ブースター」と呼ばれる驚異的なテクニックを披露したことはあまりにも印象的だ。

 



 

国民の妹と呼ばれ、韓国では絶大な人気を誇っている彼女であるが、私的には「アイドル」というよりも「アーティスト」としての彼女に大きな魅力を感じている。

 

特にIUがギターを弾き語りした『Gee』は、彼女が「詞を感情に乗せること」に長けていることを証明していると言える。

 

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Gee』を歌っている時のIUは、見た目はいたって「普通の子」であるから、アコスティックギター一本と歌だけで聴衆を魅了したということだろう。

 

複数の人数で、スタイル抜群な身体から繰り出されるダンスパフォーマンスで魅了するK-POPグールプは、視覚で魅せられる分、歌を視覚でごまかすことができるが、IUはいたってシンプルに勝負している。

 

そして、ギターを持って歌っている時の彼女は、本当に歌が好きそうな佇まいをしている。

 

今でこそIUはアイドルとしてキャッチーなダンスを歌の中に取り入れてそれを実践しているが、リード曲、タイトル曲であっても、もっとシンプルにやった方が、彼女の凄みと本質は発揮のではないかと思ってしまう。

 

IU10代でなぜこれまでに素晴らしい歌い手になっていたのか、それを深追いしたときにある一つの興味深い事実にたどり着いた。

 

それは…IU

 

日本のアーティストの中で玉置浩二(安全地帯)を最も尊敬している

 

ということだった。

 

その事実を聞いた瞬間に、IUの音楽リテラシーに感激した同時に、IUが圧倒的に詞情を表現する力があったり、歌に対して純粋であるオーラが溢れている理由に納得してしまった。

 

日本国内においても、玉置浩二というのは、メディアに露出しながらも、過小評価されている部分があるにも関わらず、そこを選び抜くIUの感覚というのは、普通の「10代の女の子」ではなかったように思える。

 

IUは自身のコンサート、東京国際フォーラムホールAで行ったソロライブ「IU Friendship Special Concert Autumn2012~」では「Friend」を熱唱している。

 

玉置浩二は日本において一般聴衆から評価は別として…

 

Mr.Children 桜井和寿が最も尊敬するアーティストにあげている

・徳永英明が「この人になら、全てを捧げても良い」と思っている

・コブクロ 黒田俊介が「日本一歌が上手い」と絶賛している

 

など、実際に表現をする側からの評価はもともと高かったのだ。

 

実際に私自身も、玉置浩二は日本においてオンリーワンであり、ナンバーワンな歌手だと感じている。

 

彼が日本において圧倒的に他のアーティストに差をつけている部分は…

 

・自国の日本語歌詞だけで勝負出来る力

・演歌からロックまでを作詞・作曲できる力

・歌詞を音楽に乗せて、歌詞を聴かせる力

・その場、その場で歌い方を自然に変え、唯一を届ける力

・ギター一本でのステージでのパーフォーマンス力

・歌を純粋に楽しんでいるオーラ感

 

などが挙げられ、そうした力はK-POPのボーカルと比較しても郡を抜き過ぎていると言える。

 

感覚としてしか言えないのだが、K-POPで上手いとされているボーカルの場合は、音楽と調和し肌に染みる感じであろう。

 

玉置浩二の場合は、音楽を超えて心を強く撃つという感じだろう。

 

これは私的な見解であるため、どの歌手の、どのテイストの音楽が好きか、それによって考え方も変わってくるところであるが、とにもかくにも、玉置浩二というジャンルが別格であることはYouTubeなんかを見ていただければ一発で理解できるだろう。

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そして、IU自身も、玉置浩二が持っている個性に似た要素

 

・歌詞を音楽に乗せて、歌詞を聴かせる力

・その場、その場で歌い方を自然に変え、唯一を届ける力

・ギター一本でのステージでのパーフォーマンス力

・歌を純粋に楽しんでいるオーラ感

 

を持っており、それが玉置浩二に比べて微弱ながらも、アイドルとしては申し分のないぐらいに兼ね備えて、それが「複数」に負けない、彼女の強い「個」を作り出しているように思える。

 

 

さらに、IU自身は、いたって大和撫子的アイドルだ。

 

AKBやももクロとまったく異なることは一目瞭然だろう。

 

私自身は「清廉潔白」感満載だった70年代、80年代の日本のアイドルのような雰囲気に感じる。

 

特に、IUの声のブレーキの掛け方は、松田聖子を彷彿とさせる。

松田聖子の『青い珊瑚礁』のサビを耳を凝らして聞いてみると、短い感覚の中で声のブレーキが掛かっていることが分かると思う。

 

白のワンピースでナチュラルな衣装が似合うあたりもどこか、旧き良き日本っぽさが出ており、そのようなJ-POPアイドルは今のところ思いつかない。

 

交際禁止を徹底するのが清純ということではなく、山口百恵にしても、松田聖子にしても、中森明菜にしても、あの頃のアイドルは、彼女自身からにじみ出る雰囲気が「全世代」に理解できるような愛着あったということである。

 

また、70年代、80年代のアイドルというのは、歌唱力自体も、今のアイドルと比べると圧倒的に高く個性がある。

おニャン子以前は、ソロアイドルが活躍していたため、今のIUと同じで、「シンプルに魅せる」ことが強いられ、自ずと総合的な力を付けざるを得なかったのだろう。

 

 

IUが楽しみなのは、アイドルとして清純な流れを踏みながらも、年を重ねて一人の歌い手として様々な姿へと変貌を遂げる可能性を大きく秘めていることだ。

 

玉置浩二自身は、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代と、まったく違う人間の如く、歌を歌い上げてきたように、IU自身も、寿命がある程度予想されるようなアイドルを脱却することが出来るだろう。

 

それは、彼女自身がシンプルに「個」として、歌を届ける魅力があるからだ。

 

はっきり言って、私自身はアコギで弾き語りのIUが一番好きだ。

 

次回のFNS歌謡祭は、IUと玉置浩二のコラボレーションが観たいものだ。

韓流を押しているフジなら、有り得なくもないかも。

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