こんにちは。Fukuiです。Kコミックの話続けます。

韓国のホラー映画って怖いのはご存じですよね。今から7~8年前。まだ、ハングルが読めなかった僕は映画館のポスターのクリエイティブの良し悪しで選んで映画を見てました。その日は、首筋になめくじが這っている着物姿のポスターが美しいので、入って観てみようと思いました。これがヤバいくらい過激な演出で、それはそれは恐ろしい体験をしました。ちなみに、こんなポスターだったんです。


今見るとキャッチコピーが「1942京城恐怖劇」と書いてあります。首もやたら長いし。

韓国映画の怖さは、これでもかという感じの過激で過剰な演出だと思います。もちろん、日本も欧米のホラーも同じなんでしょうが、韓国はそれを超えます。ホラーファンにとっては良いことなんでしょうが。その演出をふんだんに生かしたウェブトゥーンがメチャ恐くて大人気なんです。

ウェブトーンの作家は、漫画家でもありますが、漫画と異なる音声やアニメーション、映像などを取り入れることができる分野ですので、映画やアニメーションを勉強した作家が活躍しています。ホラン作家もその一人です。3Dグラフィックスやフラッシュアニメを使用して、読者を恐怖のどん底に落とし込みます。彼の最新作が「マソントンネル化身(마성터널귀신)」です。

http://comic.naver.com/webtoon/detail.nhn?titleId=574303&no=16&weekday=mon

マソントンネルは、京畿道龍仁市に実際にあるトンネルです。実在する場所を題材にするのもホランのお得意で、一昨年発表された「オクス駅化身(옥수역귀신)」や「ポンジョン洞化身(봉천동귀신)」もソウルにある実名の場所です。ちなみに、オクス駅は僕もよく乗換えで使う駅なので、写真を撮っておきました。


あと、作品を見るとわかるんですが、オクス駅の線路も見といてください。普通の線路ですが、作品を見た後には、少し違った線路に見えると思います。


オクス駅化身(옥수역귀신)

http://comic.naver.com/webtoon/detail.nhn?titleId=350217&no=5&weekday=tue

 

「マソントンネル」もとても恐ろしいので「警告:この漫画は衝撃的な場面が一部含まれていますので、妊婦、ご老人、心臓疾患のある方は利用をされないように」と最初に書いてあります。なので、そういう方以外の方にお奨めしたいと思います。恐怖場面というのは、大体後半なので、前半を日本語で紹介します。前半の内容をわかれば後半は大体わかります、ていうか恐ろしさを堪能できます。恐さのタイプとしては、さきほども言いましたが過激な演出にあり、いわば、遊園地のアトラクション的と言えばよいかなと思います。では前半の内容。

“何年か前、私は一人で高速バスに乗って帰省していた。バスには10人程度の乗客がまばらに座っていた。バスがトンネルに進入して周辺が暗くなると、読んでいた小説本を畳んで目を閉じた。体が疲れていたのか、すぐ寝ついてしまった・・・。しばらく時間が過ぎ、再び目を開いて窓の外を見たが、まだ淡い光のトンネルの中でバスはひたすら走っていた。かなり多くの時間が過ぎたと感じたが、トンネルの終わりは見えなかった。あたかも他の世界の空気が私を覆っている違和感に鳥肌が立ちはじめた・・・てな感じです。

ホラン作家のホラー漫画は、大体吹出し部分はなくて、ストーリーテラーのナレーションに合わせて、漫画が進行するスタイルです。

韓国に行かれた方は、この国はバス社会だなと思われませんでしたか?

地下鉄もそれなりに発展していますが、地方に行くのは電車ではなくバスが多いです。韓国ではバスで実家に帰るシチュエーションは多くの地方出身者が経験しているだけに、この作品はそういった方々に「バス及びトンネル恐怖症」を生みました。まあ、そんな深刻な話ではないですが。

前回ご紹介したHUNの「隠密に偉大に」のような大作を読もうと思ってもそれなりのハングルスキルが要求されますが、ホラー漫画は、見るだけで楽しい、というか恐いので、日本の方がウェブトゥーンを初めて読むのであればお奨め、と思いました。ぜひ、トライしてみてください^^