AFTERSCHOOL-PLAYGIRLZ
 

AFTERSCHOOLが30日の大阪なんばHatchでの公演を最後に、初の全国ツアー「AFTERSCHOOL JAPAN 1stTour 2012 – PLAYGIRLZ -」を成功裏に終えました。

 

4月27日、あいにくの雨模様をモノともしないファンの熱気に包まれたZepp Tokyoから始まった今回のツアーでは、AFTERSCHOOLとしての最高のパフォーマンはもとより、オレンジキャラメルの日本での初ステージ、メンバー・イヨンの華麗なるギターソロ、そして先頃発表されたばかりの新メンバー・カウン(17)の登場と、いま求めうるアフスクの全てが詰まったツアーとなりました。

 

 

PLAYGIRLZ
 

昨年8月の日本デビュー以来、シングル3枚、アルバム1枚を発表。様々なCMにも起用され、今年4月からはメンバーのナナがテレビ東京系列の情報番組MCに抜擢されるなど順調そのものに見えるアフスクですが、リーダーであるカヒのここに至る歩みを辿るとき、それはそれは長い道のりだったという事に、感慨をあらたにします。

 

ステージ終盤、一言一言噛み締めるように語ったカヒ。

 

「ここに連れて来てくれたみなさんに感謝している」「みなさんがいてくれるから、わたしはこれからも歌い踊る事が出来る」

 

カヒの言葉の思いの深さを知るために、アフスクを引っ張る姉御、カヒ姉さんの足跡を辿ります。

 

 

 

カヒは1980年生まれの現在31歳、アフタースクールの中で最年長であるばかりか、韓国では「最高齢アイドル」などと有り難く無い称号で呼ばれる事もあるようです。

 

しかしカヒは伊達に歳を食ってるわけではありません。カヒはそんじょそこらの新人と訳が違う修行を積んで来ているのです。

 

ルーラの「3!4!」を見て歌手になる決意をして20歳で家出したカヒは、偶然にも当時スターだった「チョリとミエ」のミエと出会い、頼み込んで同じ事務所に練習生として転がり込みます。20歳で家出という表現もなんですが、ようするに勘当同然のような形で家を飛び出したそうです。

 

努力と才能の甲斐があって、3ヶ月後にはDJ DOCのバックダンサーとして起用されることになります。しかし、先輩たちの激しい嫉妬や妬みに耐えかねて、結局その事務所を出て行く事になってしまうのでした。

 

事務所を離れた彼女は、日中は店員などのアルバイト、夜はロックカフェでダンスを披露する生活を送っていました。

 

しかし、そこにまたしても奇跡的な機会を得ることになります。

「BoAのダンサーが一人足りないから参加してみないか」という声がかかったのです。

 

最初は単に数合わせ程度に見られていたカヒでしたが、すぐにその能力を認められ、結局3年間BoAのバックダンサーとして活躍することになりました。

 

ほかにも‪Jinusean‬のMVに参加するなど、ダンサーとしてのキャリアを着々と重ねていったのです。

 

当時の事を知るキム・ジョンミンは「当時カヒはすべてのダンサーたちの羨望の的だった。彼女のダンスのスタイルを自分も最初の振り付けで真似た」と後に語っています。

 

しかし、彼女の本当の夢は歌手になることでした。バックダンサーでいることに疑問を抱き始めていた彼女が訪ねたのが、当時立ち上がったばかりの現在の所属事務所Pledisでした。

 

Pledisの代表はBoAの元マネージャーだったのです。当時のPledisはこの代表と新人歌手のソン・ダムビ、そしてカヒのたった3人でスタートしたのでした。

 

2008年、Pledisからソン・ダムビがソロデビュー、カヒよりも先に人気者となります。

 

それから遅れること1年、ついにカヒがAFTERSCHOOLとしてデビューする日がやってきました。

同じように苦労して来た元Kiss Fiveのメンバー・ジョンアと、ベカ、ジユヨン、ソヨンの5人グループです。

 

しかし、ヒットメーカー「勇敢な兄弟」による「AH!」で、韓国版Pussycat dollsを目指すも折悪しく、前週にリリースされた少女時代のGeeが歌謡界を席巻、全く関心を示されることがなかったのでした。

 

3ヶ月後にユイが加入してからようやく活性化され、メンバーの増殖を繰り返す事なども話題作りとし、グループとしては、ようやく3年が過ぎたばかりです。

 

AFTERSCHOOLとしてはたった3年でしかありませんが、カヒにとっては、それ以前の10年の間に様々な経験を積んでようやくたどりついた日本ツアーなのです。

 

かつてバックダンサー出身というのは、韓国芸能界では一段低く見られる風潮があったそうですが、カヒの成功でそういった偏見も今では無くなってきたようです。

 

事実、昨年デビューした新人ガールズグループDalshabetのヴィッキーは、17歳のときにスター帝国に練習生として入り、2007年からソ・イニョンのバックダンサーをしていたことを自慢しています。

 

そういう道を切り開いて来たカヒ姉さん。「もう30過ぎ」とか、「そろそろ卒業」みたいなこと言ってはいけません。カヒ姉さんあってのアフスクなのです。

 

奇しくも今回のツアーで顔見せとなった新メンバー・カウンとの年齢差は15歳。

 

一回りどころでは無いのだけれど、また新たなアフスクの化学反応が起きるはず。

 

まさしくスクールならば、先生と生徒ほどの歳の差です。

 

ならばそれで良いじゃないか。スクールをまとめる先生役として、カヒにはまだまだアフスクを引っ張って行ってもらわねばならないのです。

 

今回のツアー。全公演ソールドアウトの好評を受け、追加公演が決定しています。追加公演ではカウンも含めて更なる進化を見せてくれるのではないかと、今から楽しみで仕方がありませんが、一方で先日は所属事務所の代表が「次の卒業生に関して熟慮中である」と発言するなどもあり、その動向からさらに目が離せなくなっています。

(まさじん)

 

 

カウン
<新メンバーとしてお披露目されたカウン>
 

 

(写真:公式サイト/ Pladis)